短編小説 ~セキラとディン編~
思いついたネタを適当に書いた感じの短編です。
文章へたっぴなんで、色々と残念です。本当に、実に残念ダァ!な出来です。
それでも良ければ、続きからで!
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ぺらりとページをめくる音だけが響く、静かな空間。
音の人物だけを除き、その図書館には誰もいない。
「………」
たった一人の男はそのことに特になんの思いも持たず、司書室の中で、ただ本を読み進める。
男の名はセキラ・エルフォス。名もない図書館の持ち主だ。
「………」
彼にとって、自分以外がいない図書館は当たり前である。当然だ、この図書館は森の奥深くにあり、普通の人は気づかない。
だが彼は賑やかな場所より静かな場所を好む。
故に彼は、自分だけの読書の時間を、表情にこそ出さないものの楽しんでいた。
「……ん」
と、ピクリと頭の上の大きな猫耳が動き、彼が何かに気づいたように顔を上げる。
「……あいつか」
知り合いの気配を感じたのだろう。そう呟くが、彼は動こうとしなかった。
やがて図書室の外からコツコツと足音が響いてくる。その音が図書室の扉の前で止まり、ギイイィ、と古い扉の開く音がした。
「セキラ。いますか」
凛とした、だが冷たさを帯びた声が司書室まで聞こえてきた。
「…………はぁ」
自分を呼ぶ声に、やっとセキラは腰を上げ、司書室を出た。
図書室に入ると、白衣を着た男性がこちらをまっすぐ見つめていた。その瞳にも、声と同じ冷たいものがある。だがセキラはこれが彼の通常だと知っているので、特に何とも思わない。
「…忘れたのか。Cの棚の4番2段目から5番4段目までだ」
セキラの目の前にいる男性の名はディン・アグレル。自分で薬を作るレベルの理系人間であり、基本的に彼がここに来る理由は「科学関連の本探し」である。
そのため、用件を尋ねる必要はない。科学関連の本がある場所を言うだけだ。
しかしディンは、記憶力もかなりいい方のはずだ。本の位置くらい覚えているはずなのだが。
「あいにく、今日の目的は科学に関することではありません。第一、棚の位置くらい覚えています」
…と思っていたのだが、どうやら今回の要件は違うらしい。
「なら、何の用だ」
「悪魔に対しての対処法が載っている本を探しに来ました」
「………悪魔ぁ?」
予想の斜め上だった。科学が微塵も関係ない本を要求されるとは。
「つい先日、悪魔が襲い掛かってきたんです。今後も同じことが起こると思われるので、対処法を知りたいと思いまして」
シンプルすぎる状況説明。…だが、これだけでは全く訳が分からない。
なぜなら、ディンは戦闘能力も高いため、退治するだけなら戦えばいいのだ。
「色々端折りすぎててわからん。詳しく話せ」
そう言うと、ディンはおそらく早く用事を済ませて帰りたいからだろう、「……わかりました」と顰め面で呟いた後、状況を話し始めた。
ディンの説明によると、事件が起こったのは昨晩の夜、ディノの知り合いであるレジェンによる、軽音部のライブの時だった。そのライブにはディノだけでなくディンも誘われ、ディノにしつこく頼まれたので同行したそうだ。
そしてライブ開始時。空気を読まずに悪魔が乱入してきたわけだ。
どうやらその悪魔はレジェン同様学生を装っていたらしく、レジェンのクラスメートであったようだ。故にその人物が悪魔である上に天使を憎んでいる者だと知った時、レジェンは絶句してしまい動けない状況だったとか。
その時は、クラス内にレジェンの正体をすでに知っていた人が何名かおり、またその知り合いもいたため、悪魔が「俺はお前を憎んでいる」とレジェンに言い放った瞬間に状況を把握、早急に避難の誘導を行い、ディンが眠り薬を不意打ちでかけて眠らせたため、そこまで大きな被害にはならなかった。
だが、こんなことがまた起こったら大変なことになる。そこで悪魔の対処法が知りたい、となったらしい。
「つまりは、レジェンのためにも、未然に悪魔との遭遇を防ぐか遭遇してもすぐに黙らせる方法が知りたいわけか」
「まぁそうなりますね」
「お前が他人に優しいとは珍しいな」
「違います。ディノにしつこく頼まれたので嫌々引き受けただけです」
「……だろうと思っていた」
基本ディンは、自分から誰かを助けようとはしない。弟に頼まれて、嫌々やることがほとんどである。彼が自分から他人を助けようとするときは、きっと翌日槍が降る。
「しかし、未然に防ぐか、遭遇してもすぐに黙らせる方法か…」
はっきり言って、そんなことが書いてある本が置いてある覚えはない。
「レジェンがその悪魔に天使だと気づかれた理由はあるのか?」
とりあえずは気づかれた理由を聞き、そこから対策を考えるべきだと判断した。
「見た瞬間に天使だとわかったそうです」
「……勘みたいなものか。面倒な…」
見ただけで分かるというのもどうなんだ、と心の中でツッコむ。
と、彼に考えが浮かんだ。
「少し待っていろ。本は無理だが、対策用のアイテムなら渡せる」
そう言って司書室へ戻る。
司書室の中にある棚の2段目の引き出しを開け、白い羽根の飾りと透き通った水晶がついているネックレスを取り出し、ディンに向けて投げた。
「これをレジェンに渡しておけ」
ディンはそれを普通にキャッチし、手の中にあるネックレスを見つめた。
「……これは?」
少し忌々しそうな顔をしているのは、彼の属性が氷と「闇」だからなのだろう。
「魔除けの力と光の力を増幅させる力を持つネックレスだ。
それを持って光の力をこめれば、それなりの結界になる。ライブ前にやるよう言っておけ。それに光の力をこめなくとも、普段から身に着けていればある程度の魔除けにはなるだろう」
それでもだめなら白崎の巫女に頼め、と言うと、セキラはそのまま司書室の扉を閉めた。これ以上話すことはない、という意味だろう。
「……」
ディンはネックレスを再度見つめると、図書室を出た。
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以上です。
展開色々おかしいけど、もう、いいよ(ヤケクソ
ちなみに補足しますと。
・なぜセキラはディンの来訪に気づいたのか
→図書館付近に感知の結界をはっているからです。耳が動いたのは特になんの意味もない。
・レジェンの正体知ってるクラスメートって?
→うち1人は確実に紹介予定の子です。後は…その内紹介するかも。
なお、全員戦闘できるキャラです。
・ディノやレジェンが対処法探すのじゃだめなのか
→ぶっちゃけますと、実はディノは悪魔に狙われてる疑惑があるし、レジェンは完全に天使を憎む悪魔に狙われているしで、レジェンとディノが対処法探してると悪魔に感づかれる可能性があるのでだめでした。デュノムはディノが存在を認識していないので出れません。
そこで悪魔に狙われにくい立ち位置(闇属性もち)のディンに、白羽の矢が立ちました。
・なぜ悪魔の対処法をセキラに聞きに来たのか
→ディンの知る中で、1番知識があって頼れる人だからです。実年齢200以上は伊達じゃない。
・ディンってブラコン?
→答えはNO。実験中にも頼み込んでくるのでうざくなり、ライブも対処法も嫌々引き受けました。彼にとって、実験は1番邪魔されたくない時間なのです(そしてそのことにディノも気づいており、わざと実験中に頼み込んでました)
・なんであんなネックレスをセキラは持っていたのか
→知り合いからもらったものです。その知り合いは、その内紹介するかも?
・白崎の巫女って誰さ
→未紹介のオリキャラです。巫女さんなので、多分悪魔退治に関しては頼れる…かも? これもその内紹介するかもしれません
こんな感じでしょうか。
ではこの辺でー。